『☆ ☆ ☆ weekly コラム☆ ☆ ☆ 商人道の誠を尽くす』
ある経営者が打ち明けた苦悩である。「長年、付き合いで価格協定に参加しています。悪い事と知りつつ、収益が大きいので続けています。しかし、早く止めたいと考えています。本当は、仲間外れが恐いから仕方ないと自分に言い訳しています」この経営者は、最近まで業界団体役員もしていたが、協定に参加していることに時々不安を感じて悩んでいた。そこで、二宮尊徳の言動を筆記した『二宮翁夜話』巻之四(福住正兄筆記)にある「楠木正成」の話を引用しながら話しをした。楠木正成は、南北朝時代に足利尊氏と戦って湊川で戦死したが、戦いの旗に「非理法権天」という文字を記していたと言う。
【楠公旗文】
非 は理に勝つ事あたはず
理 は法に勝つ事あたはず
法 は権に勝つ事あたはず
権 は天に勝つ事あたはず
天 は明らかにして私なし
この意味は、道理・法規・権力等も天命には勝てず、知力・我欲・弁舌等によって天を欺くことは出来ないというものである。「天は明らかにして私なし」とは、「誠」が天の道であり、己に克つということである。正に、「誠は天の道なり、之を誠にするは人の道なり」と言える。