『老人ホーム終身利用契約 金銭債権として相続財産に』
国税不服審判所はこのほど、「有料老人ホーム入居時点において入居者が有することとなる入居者の死亡又は入居契約の解約権の行使を停止条件とする金銭債権は相続財産に該当する」とした裁決事例を公表した。裁決によると、請求人らは、「被相続人が相続時点で有していた権利は、返還請求権を含む入居一時金ではなく、老人ホームの施設を終身利用できる権利であり、また当該権利は、相続も譲渡もできない権利であり、民法上の相続財産には該当しない一身専属権であるから、相続税法第2条に規定する本来の相続財産には該当しない」旨を主張した。
審判所は「しかしながら、被相続人らが締結した老人ホーム入居契約は、入居者である被相続人らの自由な意思によりいつでも契約を解約でき、契約が解約された場合には返還金として契約に定める所定の金員を支払う特約付であったことが認められること(略)等にかんがみれば、被相続人らには、入居契約の締結日時点において、契約に定める老人ホームの居室等を終身にわたって利用し、各種サービスを享受する権利とともに、同人らの死亡又は解約権の行使を停止条件とする金銭債権が生じていると認めるのが相当」として請求を棄却した。