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『☆ 財務諸表と資金調達☆ 1 0 . リスクの管理』

 資金調達を安定的に継続するためには、財務諸表のリスクを管理することも、会計事務所のスタッフにとって重要な仕事である。中小企業の財務リスクは、ある意味で大企業のリスクよりも影響力が大きい。

 それは損失が発生した場合、資本の大きさ、一事業年度の利益の大きさ、に対する影響度が、中小企業の場合は相対的に大きいからである。リスクを管理する上で、管理するリスクの定義(リスク・ファクタ-の定義)→計量化の方法(リスク・キャピタルの算定)→管理手法(チェックリストの作成)→財務諸表の予想と分析→対応策の検討(事業計画の管理)、というフローチャートを、各会計人が明確に認識し、企業経営者に理解させる必要がある。

 債務不履行を現実のものとしないためにも、財務リスクを簡易的・効果的に管理する必要がある。リスク・ファクターは、企業業績の変動要因を分析することにある。企業業績の変動要因は、経済情勢、外部要因のほか、経営方針、取引先・商品の性質・依存度、偶発債務、訴訟の状況、技術力、経営者との取引、市場占有度等、多様化した要因があるが、社債発行時の情報開示を通じて、企業のリスク・ファクターは整理されることになる。このリスクの開示こそ、企業のリスク管理の第一歩となるのである。(次回は、「リスク・キャピタル」)