『☆ ☆ ☆ Weekly コラム☆ ☆ ☆ 仕事と読書の習慣』
「先ず大切なことは読書の習慣を作るということである」(三木清『読書と人生』新潮文庫所収)年配の経営者と面談していて気づくことは、長年に亘り刻苦勉励して地位を築いた人は、実に魅力的な人徳を形成している場合が多いということだ。そして、そのような人の多くが読書家であることである。本は単なる嗜好品ではない。学習に本が必要なように、仕事にも本が必要不可欠ではなかろうか。個々の職務に絶対不可欠というのではなく(単なるノウハウ習得ではなく)、仕事上の難題を乗り越えていく上で心の支えになるのではなかろうか。経営者にインタビューをしてみると、創業社長と言われるような人は、大抵今日に至るまでに様々な困難を乗り越えて来た。当然、それらを乗り越えるエネルギー源は区々であるが、精神的な支えになったのが読書の習慣であることが珍しくない。
筆者が特に尊敬するある社長は、「もし自分に読書の習慣が無かったならば、今日まで無事持ち堪えて来たか自信がない」と言う。三木清は続けて言う、「ひとたび読書し始めるならば、落着かない心も落着き、憂いも忘れられ、不運も心にかかることなく、すべて読書に好都合な状態が生ずるであろう」。