『過年度仮装経理の修正 本事業年度に損金計上されず』
請求人は、民事再生法に基づく再生手続開始の申立てを行い、同法に基づく財産評価額の評定の準備を始めるに際し、過年度に仮装経理により過大に計上していた棚卸高について、法人税法第33条第2項に規定する政令に定める事実(資産の評価損の計上ができる場合)に当たり、評価損として計上した過年度棚卸資産廃棄損の額は本件事業年度の損金の額に算入すべきであると主張した。これに対して原処分庁は、過年度棚卸資産廃棄損の額は、請求人が本件事業年度前の各事業年度の棚卸資産に係る粉飾額を計上したものにすぎず、棚卸資産としては実在しないものであるから、法人税法第33条第2項の「法人の有する資産の額がその帳簿価額を下回ることとなった場合」に当たらないので、過年度棚卸資産廃棄損の額を本件事業年度の損金の額に算入することはできないと主張した。
審判所は原処分庁の主張を認め、本件事業年度の損金の額に算入した過年度棚卸資産廃棄損は、本件事業年度前の仮装経理における棚卸資産過大計上額であって、本件事業年度において生じた損金ではないから、本件事業年度の損金の額には算入されないと裁決されている。