『政府税制調査会答申 事業承継税制はどうなる』
政府税制調査会はこのほど、来年度税制改正に向けての「抜本的税制改革に向けた基本的考え方」を公表した。この方針書を基に、来年度の与党税制改正大綱の取りまとめ作業に入っていく。注目される「事業承継税制」の記述は以下の通り。「中小企業の事業承継においては、事業の将来性に対する不安や後継者不足などの問題が生じているが、これに関連して、相続税負担についても、雇用確保や経済活力の維持の観点から一層の配慮が必要であるとの意見がある。他方、事業用資産を持たない者との課税の公平性や親族間の相続(世襲)による事業承継を支援することの必要性の観点から、十分な吟味が必要であるとの指摘もある。また、同族株式を遺産として残す者は、平均的にみれば、相続税の課税対象者の中でも富裕層に属していることにも留意する必要がある。加えて、事業承継における相続税負担の影響等に関する実態の分析も必要である。こうした点も踏まえれば、事業承継税制については、課税の公平性等の観点からも許容できる、経済活力の維持のために真に効果的な制度とする必要がある。現行の各種特例を拡充することに関する前述の問題点にも留意しつつ、相続税制全体の見直しの中でさらに検討を進めることが必要である。」