『火力発電設備の廃止に伴う有姿除却になる要件』
電気事業者が所有する火力発電設備について、既存の設置場所における電気事業固定資産として固有の用途を廃止するため、電気事業法の所定の手続を執ったうえで、有姿除却に係る除却損を計上した。課税庁は、『有姿除却があったと認められるためには、その固定資産がもはやその本来の用途に従って事業の用に供される可能性が客観的にないと認められるに至った場合であることを要するものと解されているので、発電設備を構成する個々の資産のすべてが固定資産としての使用価値を失ったことが客観的に明らかでなく、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないとは認められない』として、損金算入を否認した。
判決は、本件火力発電設備が廃止され、将来再稼動の可能性がないと認められる以上、その設備の廃止の時点でその固有の用途が廃止されたものと認められる。火力発電設備について一括ではなく構成する個々の資産でみるべきであり、事業の用に供される可能性がないと客観的に認められるに至っていないとする課税庁の主張を退けた。
除却の判断を社会通念に基づいて判断することなどは、他の業種における有姿除却の是非の判断に参考となる要素であると思われる。