『☆ ☆ ☆ Weekly コラム☆ ☆ ☆ 慌てず、時機を待つ』
諸々の経営課題を解決する為には、時機を待つという心構えを必要とする場合がある。勿論、経営上の意思決定は迅速性も大切であるが、性急な行動は危険である。平成9年、X社(食品製造業、年間売上約8億円、社員40人)は、新商品を開発して新工場の建設と機械の導入をすることになった。その際にコンサルタントから、経営革新計画の認定を受けて低利の公的融資を導入することを薦められた。しかし、社長は建設の着工が3ヶ月遅くなることと、第三者の評価を受けることを嫌い、やや高利の資金(約1 億円)を使って実施した。従来からの商品市場が値下げ競争になっており、一日も早く新商品の生産を開始したかった。
結果は、新商品の品質に問題が発生したり、販売ルート開拓に躓いたりして、3千万円以上の赤字経営に陥ってしまった。生産計画・販売計画・各種財務計画等の策定と市場調査を十分に実施しなかったことが原因であった。X社はその後5年間も赤字が続き、従来商品の価格が回復してやっと黒字になった時は、債務超過寸前であった。
経営上の意思決定と実行は、時には慌てず時機を待って取り掛かることが大切だ。「急がずば濡れざらましを旅人の後より晴るる野路の村雨」(武将 太田道灌の歌)