『同族会社の土地転貸料算定 保証金の運用益控除も』
国税不服審判所はこのほど、「請求人が同族会社から受領した 土地の賃料が著しく低額であるとして、所得税法第157条を適 用した更正処分は適法である」とした事例を公表した。
本件は、同族会社G社の役員で不動産貸付業を営む審査請求人が、 当該同族会社に貸し付けている土地の賃料に係る不動産所得につい て所得税の確定申告をしたところ、原処分庁が算定した適正賃料に よるべきであるとして、所得税法第157条《同族会社等の行為又 は計算の否認等》 第1項の規定を適用して所得税の更正処分及び過 少申告加算税の賦課決定処分をしたことから、請求人が上記各処分 の全部の取消しを求めた。
審判所は、実質的に同族会社G社からみれば、本件各土地転貸料と 本件各土地賃料との差額が、G社が請求人から取得する本件各土地の 管理の対価、すなわち管理料相当額とみることができ、適正管理料の 算定に当たっては、保証金の差し入れを加味するのが相当であり、当 該保証金の運用益相当額を算定して本件土地転貸料から控除するのが 相当である。以上のことから、本件各年分に係る審判所認定適正賃料 の額を本件各土地賃料の額と比較すると、後者は著しく低額であるこ とが明らかである、として、請求人の請求を退けた。