定期監督と申告監督
―労働基準監督署の調査について―
労働基準監督署の業務に、「定期監督」「申告監督」と呼ばれるものがあります。これらは「臨検(りんけん)」と言われたりもしますが、どちらも労働基準関係法令の遵守状況を訪問または労基署への呼び出しにより確認し、法令違反があった場合は是正勧告を行う、というものです。それぞれの特徴として、次のようなものがあります。
◆定期監督
一定の規模・業種等から対象事業場のリストを作成し、労基署が計画的に調査を行う、というものです。調査項目もある程度決まっており、概ね浅く広く、全体的にチェックされるといった感覚です。ただし、浅くとは言え、残業代の遡り支払いの是正勧告が出されたりはします。
◆申告監督
労働者から解雇・賃金不払いなど、法令違反の疑いのある通告を受けた場合に行われます。調査項目については、労働者が通告した内容について重点的に行われ、さらに通常は定期監督で行う調査項目も行われます。通告内容や周辺環境にもよりますが、一般に定期監督に比べ詳細に調査されると言えるでしょう。
◆調査結果の例(労働時間とみなされ、時間外手当の遡り支給対象となったケース)
就業前に行う体操の時間
敷地が広く、タイムカードの設置場所が職場から徒歩数分かかる場所にあったため、タイムカードを打刻するまでの時間
このように、普段の行いでは気にならないような微々たる時間や、「労働時間ではない」と思い込んでいた時間も労働時間とされることもあります。
いずれにしても、監督業務が入ることが決まった場合は、担当の労働基準監督官に誠実に対応することが大切です。社内で対応するのが不安な場合には、社会保険労務士にご相談ください。