名ばかり管理職問題について
-日本マクドナルドの判決から学ぶこと-
◆日本マクドナルド判決の概要
日本マクドナルドが直営店の店長を管理職と見なして残業代を支払わないのは違法として埼玉県の店長が同社を相手取り、2年分の未払い残業代や慰謝料など約1,350万円の支払いを求めた裁判で、東京地裁は「店長の権限は店舗内に限られており、経営者と一体的な立場で事業を行う管理職とは言えない」と述べ、未払い残業代など約755万円の支払いを命じた。
◆管理監督者の基準
それでは、管理監督者の基準とは一体どのようなものなのでしょうか?
①労働条件の決定等の労務管理について経営者と一体的な立場にあるもの。
②労働時間、休憩、休日などの規制の枠を超えて活動することを要請せざるを得ない、重要な職務と責任を有する立場にあるもの。
③基本給、役付手当等において、その地位にふさわしい待遇がなされているもの。
重要なことは、「責任と権限」「時間管理の在り方」「厚待遇」という3つの条件を全て満たしていることが管理監督者扱いの必要条件となることです。
◆判決後の企業の動き
日本マクドナルドの判決を受け、外食産業やサービス産業を中心に、各社は管理監督者の処遇に関して早急な対応を迫られています。
セブンイレブン、紳士服の青山商事などは今後、店長に残業代を支払うことを決定。また、逆にユニクロ、モスフードサービスなどは、上記3要素を満たすという理由で店長を管理監督者として扱い、残業代の支払は今後も予定していません。
一般企業まで波及し始めた「名ばかり管理職問題」。自社の管理監督者の要件を再度洗い直し、納得感を持たせられるような制度設計に変更を実施する時期が到来したことは間違いないでしょう。